旧世代のcpuはマーケットから駆逐され、デュアルコアが標準となった今日。
athlon 64によるAMDの勝利かと思われた流れも、今はどこ吹く風。
次世代マルチコア競争に決定的に出遅れたAMDはネイティヴクアッドと前面に押し出してPhenomを発表したが、完成度とベンチマークを見る限りintelの後塵を拝している感は否めない。
実質、AMDは負けてしまった。
ところで、prescottを覚えているだろうか。
昔のintelの驕りを象徴するかのようなそのTDPの高さにみな閉口したものであるが、それも昔の話。この熱設計の消極的対策としてBTXを提唱したintelだったが、いつの間にか生産を打ち切っている。
それはCoreの到来と同じ時期であった。
athlonの流れから性能と同時にTDPの低下も半ば義務づけられ、CPUの流れは低消費電力志向になった、かに見えた。
実は、LGA775になってからのprescott-2M(pentium 4 672)のTDPは115Wである。
昔だったら驚くべき数字だったが、今ではあまり驚かない。
もっと高かったのでは?と思える数字ですらある。
逆に、core 2 duoであれば65Wという比較的落ち着いた数字ではあるが、QX9775のTDPは150Wである。
672もQX9775もどちらもハイエンドである。
CPUは今でも間違いなく爆熱路線をひた走っているのだ。
性能向上を求める限り、消費電力の増加はやむを得ない。
CPUという概念を改めない限り、高性能と低消費電力は両立しない。
これから知らず知らずのうちにTDPは増加の一途を辿っていくだろう。
Phenom 9900のTDPが140Wになるのも、仕方のないことなのかもしれない。